2020/04/05 22:36
その時の自分は「ちゃんとした修行をした職人ではない」というコンプレックスに悩んでいた時期でもありました。
専門学校を卒業しパティシエールにもなれず、その後ほぼ独学で自家製天然酵母とお菓子の勉強をしてきました。
ありがたいご縁でパンやお菓子を焼く仕事をさせていただけるようになりましたが、
パティシエールでもブーランジュリエでもないのにパンもお菓子も両方作る事になにか中途半端な事をしていて、
本物の修行を積んだ職人の方達に失礼なような気持ちを抱えていました。
またパンもお菓子もどちらも作っていると、「何屋さんか分からないね」と言われる事が多くありました。
けれど自分はどちらも大好きでどちらかだけを選ぶ事がどうしても出来ませんでした。
しかし、初めて見る本場のアメリカのブレッドやベイク菓子はオーブンから出てきたそのままの素朴な見た目と大らかな味わいで、
私の「こうでなければいけない」という勝手な思い込みを徐々に解きほぐしてくれました。
そしてダウンタウンで「BAKER」という言葉に出会いました。
あるベーカリーではお店に入るとレジ横にボンボンショコラが並んでいたり、
「BAKER」と書かれたそのお店ではパンとベイク菓子が優劣なく横並びで並んでいます。
(当時許可をいただいて撮影したLittele T BAKERさんの写真です。)
何物にも捉われず、私のやりたかった事が当たり前にそこにあったのです。
ポートランドという街は年齢、ジェンダー、人種、あらゆる事に寛容で、私自身もそこに受け入れてもらえたような、救われたような気がしました。
店を出て一緒にいた夫にその感動を伝えた所、改めてBAKERという文字を見た夫が「焼く人やて、自分にぴったりやん」と言いました。
本来の意味は「パン屋」ですが中学生的直訳でBAKEする人=焼く人と訳したのです。
その時、私は今まで抱えていた後ろむきな感情がすっとなくなっていきました。
パンが、お菓子が大好きなら、誰だって「焼く人」になれるんだと気づいたのです。
それ以来私は自分の肩書きを「BAKER」として、「なんでも焼く人」になりました。
いま私は胸を張って自分が大好きなパンとお菓子を悩みながら楽しみながら作っています。
「Any Girl can become a BAKER」
私が「BAKER」として生きていきたいと決めた時に、夫が送ってくれた言葉です。
「女の子は誰だってベイカーになれるのよ」
なんて素敵な言葉なんだろうと私はとても感動しました。
(後日プ○キュアの名言であるという事が分かりました)
私は自分に自信がなくなった時、この言葉を思い出し初心に帰ります。
作りたいと思った瞬間、誰もがBAKERです。
わたしも、あなたも、君も、僕も。
そこには年齢、性別、国籍、関係なく、これを読んでくださっている「あなた」も「BAKER」になれるということを、
パンやお菓子を作ること、または様々な情報を発信することを通じてお伝えしていきたいと思っています。
全ての工程を一人で行っておりますので、いろいろとご不便、ご迷惑をおかけするかと思います。
現在世界中大変な状況ですが、皆様の日々の暮らしに寄り添うパンやお菓子を、
安全にご提供していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。
だらだらと長文になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
通販のカートオープンの日のご案内は全てinstagramで行っておりますので、よかったらフォローお願い致します。
https://www.instagram.com/baker_masako/
2020.4.6
BAKER ナカオ マサコ
2022.4.8追記
通販サイトが移転になりましたので、こちらのサイトでは今後販売をいたしません。
お手数ですが、下記リンクよりご確認ください。
新しい通販サイト